国内最大級の屋外歌舞伎ステージ

国内最大級の野外歌舞伎ステージ(1600人収容)

魚沼干溝歌舞伎保存会による魚沼市小出郷文化会館野外ステージ『こけら落し』公演を行ないました。

干溝歌舞伎やまびこ座平成22年5月23日(日)、魚沼干溝歌舞伎保存会は野外ステージこけら落し実行委員会の主催によりが魚沼市小出郷文化会館野外ステージ完成記念の『こけら落し』公演を行いました。こけら落し公演の舞台は1600人が観覧していただける会場で、これは地方の歌舞伎ステージとしては最大級のステージです。両側に23mの花道を備えるなど、地歌舞伎としてはかつてないステージの規模と内容でした。
同時に噺家による鹿芝居(地方公演は魚沼市が始めて)をご覧いただけるなど、贅沢なメニューになっていました。当日は雨に降られる中、1100名もの観客を動員することが出来ました。LinkIcon詳細はこちら

現在、魚沼干溝歌舞伎保存会は魚沼市内各地からの会員と魚沼市外からの会員合わせて80名から構成されています。
かつて、干溝から輩出した二人の百歳をお祝いして50年ぶりに復活して行われた干溝歌舞伎も、現在では魚沼市民による歌舞伎へと大きく発展してきています。

演目

  • やまびこ三番叟(干溝歌舞伎)
    • 舞踊で、江戸時代には顔見世興行や正月興行として「寿式三番叟」として晴れの日に上演されたものです。翁は神聖な ものとして、三番叟もその精神を受け継いでいます。同じ三番叟でも、能は静の美を重視するのに対し、歌舞伎では躍動的で、陽気な面を強調しているところに違いが見られます。
  • 白波五人男(干溝歌舞伎)
    • 通称「弁天小僧」で有名なこの作品は、幕末の歌舞伎脚本作者(戯作者)河竹黙阿弥(かわたけもくあみ-1816~1893)の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」という5幕ものの芝居です。二幕目第三場(稲瀬川勢揃いの場)で、「志らなみ」の字を染め抜いた番傘を差して男伊達の扮装に身を包んだ五人男の名乗りをするところが有名です。
    • 花道を堂々と登場後、舞台に来て捕り手を前に五人組が勢揃いし、一人づつ見得を切り、「連ね」と呼ばれる、縁語や掛詞を駆使した七五調のリズミカルな台詞で名乗る姿は歌舞伎の様式美が凝縮されています。
  • 野崎村(干溝歌舞伎)
    • 安永九年(1780)九月竹本座初演。近松半二(1728~1786)作。お染久松の心中を扱った「袂の白しぼり」(1711)、「染模様妹背門松」(1766)から登場人物、ストーリー、有名な文句までもそのまま使い、お染久松物の決定版となっている。中でも上の巻「野崎村の段」は有名で、段切りのメロディーは広く知られている。
  • 忠臣蔵七段目(鹿芝居 落語家さんの歌舞伎)
    • 「七段目」は「仮名手本忠臣蔵」のなかでも歌舞伎らしい華やかさがある幕です。そしてお芝居らしいお芝居です。場所は一力茶屋という遊郭です。
    • 江戸時代の作品ですので忠臣蔵事件をそのままネタにすることができなかったため、表向きは「太平記」の設定を使っています。つまり、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」は登場人物の名前が史実とまったく違います。筋はだいたい同じですが、上方の作品なので、江戸での刃傷や討ち入りよりも本筋とはあまり関係ない上方周辺でのエピソードが全体の半分ほどを占めています。そのため、予備知識なしに見ると違和感があるかもしれません。